最近の不妊治療薬(新薬)の情報について

最近、薬の事を調べてなかったので、どうなっているのかな?と情報を探してみました。

もともと日本の不妊治療薬市場は小さいので開発しても開発コス トを吸収できるほどではないということでどちらかというと敬遠される傾向にあります。しかしながら、昔から婦人科・不妊分野に強い会社があり、そこがコツ コツと開発をするようなスタイルが多いですね。

今回は3つの情報に目が留まりましたのでご報告致しますね。

1つ目の情報~日本の企業ではあすか製薬がリコンビナント(遺伝子組み換え)FSH製剤をJCR社と共同で開発しているようです。

●製薬協の開発情報より

http://www.jpma.or.jp/medicine/shinyaku/development/com0800.html

しかしながら、もう既に2社からリコンビナントFSH製剤は発売されているので、バイオシミラー(後発品)として発売しようと思っているのかもしれません。そうすれば価格も下がるので、患者さんにとっても使いやすくなるのかなと思います。

リコンビナントFSH製剤のフォリスチムです。

2つ目の情報~不妊治療薬の世界的なブランドであるメルクセローノ社(ドイツ)が今年の9月から日本で第三相の治験を行なっているようです。

ホ リトロピンアルファによる排卵誘発療法を受けている視床下部-下垂体機能障害又は多嚢胞性卵巣症候群に伴う無排卵又は希発排卵の日本人女性患者を対象 に、排卵誘発におけるMSJ-0011 250 μg単回皮下投与の有効性及び安全性を尿由来ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン5,000 IU 単回筋肉内投与と比較検討する非盲検、並行群間、無作為化、多施設共同、第Ⅲ相試験
http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01653743

こ の治験から類推するとリコンビナント(遺伝子組み換え型)HCGもしくはLH製剤なのかなと思っております。来年8月まで治験のようですので、その後に申 請になるのかなと思います。詳細は治験に関わっているドクターに今度取材してみようかなと思っております。(詳しい人がいたら教えてくださいね~)

さて、少しお話が変わりますが、最近、ホルモン剤開発が尿由来からリコンビナントにどんどん切り替わっています。その理由として、リコンビナント製剤は尿由来たんぱく質の混入を防ぐことが出来る事(注射時の痛みやアレルギーの原因になります)、未知のウイルスやプリオンの混入が防げる事、純度が高いのでロット毎のバラツキがないことが利点だからです。

ち なみに今でも結構使われている尿由来のHMGやHCG製剤のロット間のばらつきがあり、最大2倍程度の時もありますので、力価(効き目)はかなりの幅があるといえま す。それでも使われるのは尿由来HMGの方が卵胞の発育や反応が良いケースが多いこと、そして、値段が安いので患者さんの負担が少なくて済む利点があるか らです。

3つ目の情報~先月、MSD社(アメリカメルク社)の不妊治療薬のニュースがアメリカで報道されていました。

「不妊薬corifollitropin alfaの第3相試験が成功」
アメリカMerck(メルク)社は、体外受精(IVF)/卵細胞質内精子注入法(ICSI)候補女性が参加した試験の結果、不妊治療卵巣刺激薬・ corifollitropin alfa 1回注射の妊娠率は組み換え卵胞刺激ホルモン(rFSH)毎日注射7回に劣らないことが示されたと発表しました。
Merck社は2013年にcorifollitropin alfaをアメリカFDA(米国食品医薬品局)に承認申請する予定です。欧州では既に承認されています

http://www.businesswire.com/news/home/20121023006538/en/Merck-Announces-Results-Phase-III-Study-Women

今回は3つの情報を掲載致しましたが、また新しい情報が入ってきたら、このブログで紹介していきたいと思います。
また、何か情報をお持ちの方は教えてくださいね。

妊娠したいと思った時にどうすれば最短時間で妊娠するの?

最近、「妊娠したいと思った時にどうすれば最短時間で妊娠するの?」という質問をしてくる友人が増えてきましたので、ここでそれについてまとめておきたいと思います。

最短時間の考え方を言っておきます。それはやるべき事をきちんとやっていれば、その時に持つポテンシャルが良い結果を生むということです。急がば回れに近い概念かもしれません。

1番目にすること:夫婦がお互いに子供を作り、家庭を作るということが覚悟できているかどうかを改めて確認すること。意外とこの部分をおろそかにしている夫婦が多い。こんな大事な話をきちんと向き合って話をしていないこともよく見受けられる。

2番目にすること:子供が出来たら生活がどのように変化するか、自分達がどのように変わらければいけないかを共に考え、準備できることを積極的に行う。

3番目にすること:基礎体温や月経周期、体調、性交渉などを記録し、自分の身体をきちんとコントロールする習慣をつけること。そして、ストレスマネージメント、食生活を安定させること。もちろん、性生活を積極的に行うことは言うまでもありません。

4番目にすること:上記のように生活をしていて、一定期間、子供が授からない場合、速やかに医療機関に受診し、検査すること。出来れば専門クリニックが好ましい。(一定期間は35歳までなら2年、35歳以上なら1年、40歳なら数ヶ月もしくはすぐに受診してもよい)

5番目にすること:検査の結果、妊娠しにくいと判断したら治療に取り掛かること。

こういうステップをきちんと頭の中に持っておくと良いと思います。4番目の検査に行くのを嫌がる人が圧倒的に多く、特に男性は嫌がりますが、出来れば男性を先に調べるのは大事です。精液検査はストレスもなく、男性の状況がすぐに分かりますので、早めの検査をオススメします。

女性も自分が不妊かなと思ってから半年から1年ぐらい、医療機関への受診を迷うというデータが出ていますので、そこは年齢が上がれば上がるほど躊躇しないようにしてほしいなと思います。たった半年や一年でも妊娠率には大きく影響する要因ですから。

NPO法人Fineのお話

先日、オールアバウトに「不妊治療をサポートするユニークな保険とは?」という記事を書かせて頂きました。この保険について紹介してくれたのはNPO法人Fineの代表である松本さんでした。「池上さん、面白い保険があるんだけど、取材してみない?」

こういうヒントをいつも頂戴しています。

最近の松本さんって今では様々なメディアに出て、政治家の方にもどんどん提言をする凄い人だ!と思っている人も多いようですが、そういうやり手な一面も持ちつつ、とっても気配りのある素敵な女性です。

私が松本さんと高柳さんに出会ったのはまだFineがNPO化する前ですから、もう8年前のお話です。色々と不妊治療についての意見交換をしたのを思い出します。それから不定期ですが、松本さん、高柳さん、そして多くのFineのメンバーにお会いし、インスパイアされてきました。

現在、Fineには多くの会員が参画し、素晴らしい活動と成果を挙げておられますが、それはたぶん設立当初の初心を忘れておられないからだと思います。
8年前の松本さんや高柳さんも今のお二人も話していて、いい意味でまったく変わりがないのです。

これこそが凄いことだなと思うのです。

さて、そのFineが毎年企画しているのがFine祭りです。今年は全国の会場で様々なイベントを繰り広げています。本当に感心致します。あと残り2つのイベントがあります。お近くの方や興味のある方はぜひ足をお運び頂くか、クチコミして頂ければ幸いです。

私も行きたかったのですが、仕事の都合で伺えないのが残念です。

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『Fine祭り2012 仲間と話そう! 不妊』
「おしゃべり会」を全国で開催!

ただいま、2会場の参加者受付中です~

10月7日(日)
「Fine祭り2012 全国おしゃべり会in札幌」(北濃健保会館)

10月21日(日)
「Fine祭り2012 全国おしゃべり会in福岡」(アスクビル)

「Fine祭り2012 仲間と話そう!不妊」
お申し込みはこちらから↓
http://j-fine.jp/matsuri/2012/matsuri.html

プログラム(3会場共通)
不妊体験談発表
おしゃべり会

全国おしゃべり会では初の試み
個別相談コーナー(当日受付先着順)
不妊症看護認定看護師さんと胚培養士さんが
あなたの悩みや疑問に答えてくれます。

<去年の参加者アンケートより>

ずっと一人で治療していてつらかったが、会場にたくさんの仲間がいることがわかってうれしかったです。

テーマ通り、「ひとりじゃないんだ!」を実感できました。勇気を出して申し込んでよかった。夫も一緒に来られたらよかったのに、と思いました。

今後の治療の方向性について参考にすることができてよかったです。

こんなにも多くの方が自分と同じことに前向きに取り組んでいることを知って、勇気をもらいました。

前回参加して、とても感動したので、今回も参加しました。前回同様、心があたたかくなりました。本当に「ひとりではない」と思えてうれしかったです。

女性ばかりと思っていましたが、夫婦で参加しやすい雰囲気でした。

ずっと一人で、インターネットなどから情報をとったり、病院に行ったり、とても孤独感を感じながら不妊と向き合い、治療してきました。すべての講演が心にすっと入り、「ひとりじゃない」を実感できました。

「同じ気持ち、悩みの方がたくさんいるんだ」と心強くなれました。

今日は一人で来ましたが、主人も一緒に来ればよかったと思いました。心にしみました。

Fineスタッフもみな不妊体験者です
仲間がたくさんいるので、一人でも気軽に参加してね。(^_-)-☆

大切なお知らせ
東京(11/3)好評につき、締切ました。
大阪(9/2)終了しました。

今年の8月は取材三昧でした!

今年の8月は理由もなく、取材の多い月でした。奈良のASKAレディースクリニック、岡山の岡山二人クリニック、獨協大学越谷病院泌尿器科、企業取材2社と私にしては珍しい週一回以上のペースでした。

取材をすると良いことがあります。それは、取材を通して、そのドクターや製品のコンセプトや奥にある心がわかることです。

患者さんや消費者もこの心の部分を知りたいと思っているのではないでしょうか?

良い医療機関も企業も進化を恐れません。常に患者さんと向き合って、自分達のサービスと商品のクオリティを上げています。

私も取材でそのような姿勢に触れることにより、インスパイアされます。そして、良いことをきちんと伝えようと思うわけです。

今、患者さん達はどんな情報をどう見ればいいのかをわからない状態です。情報が溢れかえっているからです。特に不妊治療においては有料の広告サイト、クリニック本体から出される情報、健康食品のサイト、怪しげな不妊治療情報を販売するサイト(これが多い)、掲示板サイトなど、まあそれぞれが情報を発信していますので、何がなんだか訳がわからなくなってきていると思います。

そこでオールアバウトの記事に関してはきちんと取材をしたものを増やそうとしているのです。自分の目で確かめたものをきちんとお伝えするという姿勢です。

最近は10年以上書き続けてきたことにより、こちらからの取材要請を断られることがほとんどないのもありがたいことだなと思っています。9月も既に2軒の取材予定が決まっています。さあ、どんなお話が飛び出てくるのか楽しみです。

私としては一つだけ困ったことがあります。それはそれぞれが素晴らしい取材内容なのでまとめるのに往生するのです。そこが今の悩みです。ぜいたくな悩みですけどね。

夏の妊娠力向上術!

今週は仕事で京都に戻ってきております。

今日の京都の気温は朝からぐんぐんと上がり、お昼には35度を超えておりました。立っているだけでも汗は滴り、日光で頭がくらくらしそうです。京都出身の私でさえ、この暑さには閉口してしまいます。

ちなみに夏の季節は妊娠率が下がると言われていますが、その理由を知っている人は少ないようです。今日はその点を解説し、それに基づいた妊娠力向上の秘訣を少し書きたいと思います。

夏の妊娠率が下がる理由は下記の通りです。

1)暑いので睾丸(精巣)が温められ、男性生殖器の機能がダウンする。

2)夜、暑いのでHをする回数が減ってしまう。

3)お盆があり、イベントが多いために夜更かしをしたり、二人でいる時間が減ったりする。

4)夏バテで身体が弱り、子作りするパワーがなくなっていく。

5)クリニックもお休みのところも多く、治療を休止する方も多い。

ということで、妊娠を希望される方にはとてもネガティブな季節となっているようです。

でも、このシーズンでも妊娠する方がおられる訳でそういう方にお話を伺ったことがあります。そうしたら、なかなか面白い工夫をされているご夫婦もおられて、なるほどなと思った次第です。

それらの工夫を少し、ご紹介しましょう!

●涼しい地域への旅行を企画して、暑さを避けて、心穏やかに美味しい夏の旬を楽しむ。

●夏バテは睡眠不足とビタミンミネラルの流出が原因なので、睡眠時の工夫(エアコンの使い方、寝具の工夫など)とマルチビタミンミネラルと夏の野菜や果物を意識的に摂る。

●夏祭りや花火でわくわくドキドキする機会を作り、二人の雰囲気を高める。

●冷たいものの食べすぎが胃腸の調子を狂わせるので、出来るだけ冷たいものを避け、身体に負担をかけないようにする。また、エアコンも最小限度で活用するようにして、自律神経が異常を起こさないような工夫をする。

これらを読むと、ふむふむなるほど当たり前の事だなあと思われる方も多いと思います。このような極端に暑い時だからこそ、自分の身体をケアし、いつもと同じように妊娠に向けて活動できる事が確率を上げる事に結びつくのだと思います。

ちなみに雑学ですが、青森ではねぶた祭りで妊娠する人が圧倒的に多いことが知られています。毎年6月、青森の産婦人科は出産で賑わいます。夏の最も暑い時期だからこそ、青森の人は燃えて、どんどん妊娠します。そういうハレの日も実は妊娠のきっかけになっていることがよくわかります。

これからまだまだお祭りはどんどん各地で行なわれます。そういうタイミングも効果的に使ってほしいなと思います。

金メダリスト小原選手(レスリング)のコメントを聞いて

先日、金メダルを獲得された小原選手への質問とコメントにこんな内容がありました。

◆                  ◆                   ◆

今後のキャリアとして指導者など、考えていることがあれば教えてください

小原:目標はすぐには思い浮かばないですが、私生活としては結婚しているので、年も年なので早くママになりたい、そういう気持ちが強いです。

◆                  ◆                   ◆

小原選手はこのコメントでお分かりの通り、31歳で妊娠には遅いぐらいの年齢だと思っているのです。

ちなみに小原選手の出身地は青森県。

私も7年半住んでいた旧知の地域なのでよく知っていますが、結婚年齢や妊娠年齢に対する考え方が一世代前の日本人と同じ感覚なのです。

2010年の厚生労働省の情報では日本人の平均初婚年齢は男性30.5歳、女性28.8歳になっています。もちろん35歳以上の結婚も少なくありません。

小原選手のコメントを聞いて、この感覚をもっと多くの女性が感じたら、不妊の患者さんも相当減るのになあと思いました。

もちろん結婚や妊娠が遅れているには様々な事情があると思います。それを否定する訳ではありません。しかし、妊娠したいという気持ちを叶えるという面においては、このような若くして妊娠するという意識が最も妊娠に近づくチャンスだということなのです。

年齢が高くても不妊専門クリニックに行けばなんとかしてくれるでしょ!という方が多い今のご時世ですが、医学が進歩したとはいえ、卵子の老化と子宮の老化を防ぐ手立てはまだ見つかっていません。自分で何か出来ることといえば、一秒でも早く子供を作る意識を持ってもらうことと、それを実行に移してしてもらうことに尽きます。

オリンピックの記事を見ながらそんなことを考えておりました。

望妊ブログ開始にあたって。

私が不妊治療の分野に関わるようになって、18年目を迎えようとしています。

きっかけは転職した製薬企業が世界の排卵誘発剤市場の60%をシェアする企業でちょうど、日本の高度生殖医療が急成長している時にMRとして不妊専門施設へ訪問していたことに端を発します。

その当時、今はオピニオンリーダーと呼ばれる先生方も研究バリバリの若手のドクターでした。日々、どうすれば妊娠率が上がるのかを切磋琢磨していました。私はそんな先生方に接しながら、不妊治療の様々なことを学び、様々な矛盾を感じました。

その時に特に感じたのは腕の良い真面目で朴訥な先生は目立たないのでなかなか患者さんに見つけてもらえない。逆に患者さんは情報不足でどうしたらよいかわからないという不条理な状況でした。

そんな時に人を介してご紹介頂いたオールアバウトから「不妊治療」について書いてくれないかというオファーを頂きました。そして、それから不妊情報を取材し続け、既に10年以上が経過しております。

長きに渡って、オールアバウト、メルマガ、SNSなどで情報発信を続けてきたのですが、最近は広告業がメインの不妊専門の商用サイトが増えてきたこともあり、今度は逆に情報過多になってしまい、何が本当なのかわからないという方が増えてきたのも事実です。

そこで、私が日々調べたり、取材したりした内容をストレートに発信できるブログを立ち上げた次第です。

ぶっちゃけ話や裏話も積極的に行う予定ですので、楽しみにして頂ければと思います。

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